太極拳練習ノート

誰でも始められる。一人でもできる。

ビジネス思考に学ぶ太極拳の身体技法とは

こんにちは。ねおたろうです。

ビジネス書を読んでいたら太極拳上達のヒントに出合いました。

 

エッセンシャルな力の使い方

太極拳の技法における一番の特徴はいわゆる「力」に頼らないこと。

もちろん体を動かすので筋力は必要です。身体を支える最低限の筋力はないと

そもそも技の運用ができません。

 

では、「力」に頼らないとはどういうことなのか。

太極拳が求める「力」は、その定義というか「力」の使い方自体があまりにも独特で、

教わってもなかなか理解しがたいのですが、先日あるビジネス書を読んで

 

「あぁ、太極拳の力の使い方ってこういうことなのかな?」

 

と、なんとなくわかった気がしました。

 

そのビジネス書とは『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン著)。

全米でベストセラーになり、日本でも多くのビジネスマンに読まれている本です。

当然のことながら太極拳とは全然関係ないんですが、

読んでいてなんかピンとくるものがありました。

 

エッセンシャル思考とは、

「99%の無駄を捨て、1%に集中する方法!」のことです。

より少ない労力で最大の成果を上げることの重要性を説いています。

 

自分のエネルギーを効率的に仕事に注ぎ込んで最大の成果を上げるには、

エネルギーの使いどころを必要最小限に絞り込むことが大事なのだと。

 「より少なく、しかしより良く」。 

 

なるほど、と思いました。

 

そしてほんの少しその思考を太極拳にあてはめてみました。

労力、つまりエネルギーというのは無駄に使うものではなく、

最大の効果を得るために効率的に使わなければならない。

「より少なく、しかしより良く」力を使うには、常にリラックスして

いざというときにエネルギーを発出しなければならない。

 

力んでいては力は四方に分散されてしまいます。

エネルギーを一点に向かって最大限放出するために、99%の力の無駄を

排除するのが太極拳の力の使い方なのだな、と感じました。

 

この考え方が正しいかどうかは別として、

力みは百害あって一利なしです。

 

リラックスするコツについて

ではどのようにして力を抜くかということですが、

自分なりに気をつけていることを3つ書いてみたいと思います。

 

まず1つ目に、表情をやわらかく保つこと。

難しい顔をして眉間にしわを寄せながらやらないようにします。

顔はなるべく平らかに、目も眼光を鋭くするよりも半眼で幅広い視野をとらえるよう

意識します。

 

顔がこわばるだけで全身に緊張が生まれます。

太極拳は心穏やかに。それは顔の筋肉をほぐすことから始まります。

 

顔の筋肉をほぐすために歯を噛み合わせないことも大切です。

力を入れるときには奥歯をぎゅっと噛みしめたりしてしまいますが、

套路の練習中は意識して上下の歯を噛み合わせないようにします。

 

ゴルフスイングの力み対策としてベロを出しながらスイングするというのを

聞いたことがある人もいると思いますが、歯を噛み合わせないことで

力が入りにくくなります。

 

普段意識していなくても、緊張していたりするときは気がつくと歯をぎゅっと

噛んでいたりするものです。套路の練習中は歯を意識してやってみると

効果があると思います。

 

2つ目は、肘を伸ばしきらないこと。

あらゆる動作においてすべて肘は軽く曲げておくのがいいです。

曲げたひじを下に向ける、下に落とすという意識を持つと、重心も落ちて

良いと思います。

 

3つ目にできるだけ両肩を平行に保つこと。

型によっては無理な場合もあるとは思いますが、どちらかの肩が極端に

下がっていたり上がっていたりすると、そのことで体がねじれてしまい、

そこに本来必要としない力みが出てしまいます。

 

2つ目と3つ目は太極拳の十訣のひとつでもある『沈肩墜肘』(ちんけんついちゅう)に

通じるのかもしれません。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、今日はこのへんで。